郵便局の過剰ノルマ、死選んだ配達員 自殺の翌日に届いた自腹の購入商品…妻「何でここまで」の記事を読んで

この人は休職と復職を3度繰り返し、毎年異動希望を出して生きようとしていたんだ。

退職すれば良かったのに、他に働くところがない家族のためにと思って頑張っていたんだろうな。

この国では、要領よくズルく生きなくてはいけないのだろう。

少し残念な気もするが、私ごときではどうすることもできない。

 

 

9年前、苦しんだ末に自殺
 「夫の死を無駄にしないでほしい」。
9日、大阪市内であった郵便局員有志による集会。マイクを握った埼玉県の女性(52)が切実に訴えた。

9年前の2010年12月、郵便配達員だった夫=当時(51)=は勤務局の4階窓から飛び降りて亡くなった。年賀はがきの販売ノルマ達成や時間内の配達を執拗(しつよう)に求められ、苦しんだ末の自殺だった。

 
 夫は次第に笑わなくなり、休日も外出しなくなった。心配した女性は08年、夫を心療内科に連れて行き、うつ状態と診断された。休職と復職を3度繰り返し、毎年異動希望を出したが、上司からは「病気を治さないと異動させられない」と告げられた。

「何でここまでしないといけなかったの」妻は涙
 10年12月、主治医が再度の休職を勧めたが、夫は「同じ班の人が2人も辞めたので、今は休めない」と断った。それから1週間後の朝、駅で姿が見えなくなるまで手を振って見送ったのが夫の最後の姿になった。
 亡くなった翌日、自宅に荷物が届いた。差出人は夫。自腹で購入したゆうパックの商品だった。「何でここまでしないといけなかったの」。女性は受け取りのサインを書きながら、涙が止まらなかった。
 女性と子ども3人は13年12月、夫が自殺したのは仕事上の心理的負担による精神障害が原因として日本郵便を提訴。会社側は「業務と死亡に因果関係はない」と争う姿勢を示したが、16年10月、異動希望がかなわなかったことや自殺に至ったことに遺憾の意を示した上、解決金を支払うことで和解が成立した。
 9日の集会では、今年3月に局内で自殺した関西の男性配達員=当時(29)=の問題が話し合われた。同僚の局員によると、男性は上司から業務上のミスについてたびたび叱責(しっせき)され、自殺直前に交通事故を起こしていた。
 女性は「社員を追い詰める会社の体質は、全く変わっていない。家族のため、一生懸命働く社員が報われる会社になってほしい」と語った。