なぜ経営危機でもないのにベテランに希望退職を募集するのか の記事を読んで

今日は首が痛い。

調子が悪い日が続きます。

温泉に行って、温まってストレッチをするというサイクルがいいのかもしれません。

 

なぜ経営危機でもないのにベテランに希望退職を募集するのか

記事を読んでみました。

大したものです。

私じゃあ、考えをうまくまとめられないけれども、筆者は上手にまとめているなあと思いました。

私が退職した会社にも当てはまります。

年寄りばっかりでした。

 

 

会社が続けられるのは創業者が優れていて、先進的な仕事、安定的な取引先を確保し、かつ成長し続けられる組織づくりを行えたということに他ならないと思います。仮に売上が右肩上がりではないにしても、成長し続ける仕組みが無いと既存顧客は永遠にいるわけではないですし、現業も時代遅れになる可能性もあります。したがって常に新しいことを見出し事業開拓していく心意気がない会社は、いずれ自分の体を支えられなくなってしまいます。固定資産(オフィスや設備など)や社員など固定費はなかなか削れませんからね。

さて、会社が長く続くことを前提に、そこにいる社員。外から雇用した人や若手に比べて、45歳以上と言われるベテラン勢はなぜ希望退職制度を用意してまで追い出したいのか。定年が60歳としてあと15年未満。退職金を積み増してまで放出する必要はあるのか。もともと彼らは、現在の安定運営を支えてきてくれた戦士たちのはずです。なぜなのか。

私も前の企業に15年、今の企業に10年いて長く務めることについては理解しているので何となく思うところはあります。長く務めると、以下の状況になりやすいと思います。

・その会社の仕事を一通りおぼえてしまっている。新しいことをおぼえなくても仕事をまわすことができるので、わざわざ新しい方法を見出そうと思いにくくなる。

・その会社のルールについて、盲点を知っている。悪い意味でハッキングし、「ずる」をして会社上いい成績を取る方法を知っている。例えば決算上のローカル計算方法を熟知しているので、数字の付け替え等で将来の数字を現在の数字に取り込んだり、現在の数字を将来に先送りしたりして、数字を平準化する。

・会社の人間関係上、長くいることでイニシアティブを取ることができる。自分に廻って来た仕事について「その仕事ができる人」にうまくパスすることで自分が仕事をしなくても自分の実績にすることができる。いわゆる調整型の仕事を好むようになり、自分で手を動かさないため、過去の経験ばかりで思考するようになる。

・新しいことを勉強したとしても、それが今の企業の業務に直接役に立たないことを知っているので、意欲が低い。若い人は何が役に立つかわかっていない分、余計なことを勉強するがそれが新しい成長へのキーとなることが多い。

・過去の終身雇用制度が根強い中で長期間在籍しているので、実力と見合わない給与を支払っている。

こんなところかと思います。

こういう分析を、人事コンサルティングが言っているならともかく、状況が似ている私が考えているので当たっているところもあるのではと思います。

私は45歳や50歳になったからと言って、学習能力が落ちるとは思いません。20代と競争するのはきついとかいう話はちゃんちゃらおかしい。むしろ今までの経験を持って新しい分野を学習するのはベテランに優位があるはずです。スポーツ選手のように肉体に明らかな衰えがありそれが直接的なダメージになるのならともかく、IT企業なんて知識を身に着けるだけでいいのですからハンデはありません。

一番の弊害は、過去の知識を全て当てはめて、新しい概念を拒絶してしまう態度だと思います。過去の知識を否定しているのではありません。確かに応用でもって物事が解決するのは事実です。しかし、イノベーションと言われている分野は明らかに過去を否定することが多いです。AIは過去のシステム開発手法を明らかに否定しています。ローカル5Gは、クラウド集権を否定します。新しい事実があるときに過去の知識を一旦置いておいて、子どものような気持ちで体験できるかどうか。

確かに、「老人用スマホ」など、年を取ると新しいものに対する追随性が無くなっていくのは事実かと思いますが全ての人に当てはまりません。中には年を取ってもどんどん新しい技術に突き進んでいく方もいらっしゃいます。

また、希望退職に応募し、他社に移ることでまた新しい会社にて、学習が盛んになり再成長できる方もいらっしゃるので、悪いことばかりでもないと思っています。同じ会社に居続けると、学習経験は減りますからね。